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新しい社会づくりの基盤技術として
では、鋳造技術と鋳造品はこれからの産業と社会の進展の中でいかなる役割を担おうとしているのだろうか?
冒頭の和氣氏の言葉を借りるなら、鋳造(品)とは「Foundry」、語源的にいうなら「基礎」であり「創造」だ。それは産業革命を通じて、鉄鋼業・機械産業(内燃機関生産)などに技術的・材料的「基礎」を提供し、また相互補完的に産業の「創造」を実現してきた。だが、その途上でのさまざまな新技術ジャンルの形成の中で、人々の目には鋳造技術の存在が薄く映ってきたのは、紛れもない事実だ。せいぜいが「機械構造材」としての「鋳物」という程度の印象をもってして…。もちろん、客観的に果たしている役割は別にして、である。
しかしながら、今。広く産業社会の在り方を問い直す動きが急だ。たとえば生活環境の改善(公共領域での社会資本の充実)、地球環境問題への対策(リサイクル・省エネ・軽量化)。こうした課題の中で、鋳造技術は間違いなく基盤技術として重要な役割を演ずるだろうし、新しい社会づくりに、“華々しい”先端技術の群れとは別に、確かなる貢献を果たしていくだろう。
(注1)
「鍛造」は固体金属をプレスやハンマーで鍛えながら変形させ、目的の形状にする加工法。鍛えることにより、結晶粒を微細化し機械的性質を向上させることができる。「プレス加工」は全属板をプレスで力を加えて変形させ、目的の形状にする加工法。
(注2)
「粉末冶金」は金属の粉末を金型に入れてプレスで押し固めた後、熱を加えて焼結させる加工法。「ダイカスト」は精密な金型に溶融金属を高圧で注入し、急冷凝固させ、目的の形状にする加工法。「射出成型」は熱可塑性プラスチックの成形に用いられる方法で、粒状の素材を成型機の射出シリンダー内で加熱し液状として、スクリュー・プランジャーで型内に射出して目的の形状を得るもの。
(注3)
いずれも鉄(Fe)以外に、炭素(C)・シリコン(Si)・マンガン(Mn)・リン(P)・イオウ(S) を含む。
(注4)
「HIP」とは「熱間静水圧プレス:Hot lsostatic Pressing」。物体をアルゴンなどの不活性ガスで四方八方あらゆる方向から等方向的に加圧しながら高温に加熱・プレスし、成形する技術。一方「CIP」とは「冷間静水圧ブレス:Cold
Isostatic Pressing」。セラミックスなどの粉末を水圧で押し固め成形する技術。深海底と同じ等方圧を人工的に地上に再現したもの。
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