■高度浄水処理とは?
では、高度浄水処理とはいかなるものなのか? クボタ高度浄水処理設備の技術担当“布 光昭”さん(大阪上下水エンジニアリング技術部)に聞いた。
「ひと言でいうと、『凝集沈殿→急速砂ろ過→塩素消毒』のプロセスで構成されている従来の浄水処理システムに、新たに『オゾン処理と粒状活性炭処理』を組み込んだのが、高度浄水処理システムです」
従来の浄水処理システムは水中の濁質(にごり)の除去には優れた能力を発揮するが、近年の水質汚濁、なかでもカビ臭やトリハロメタン前駆物質(トリハロメタンの素になる物質)、農薬など溶解性の成分の除去は難しい。そこで、この溶解性成分の除去に有効な2つの処理プロセスを付加したものだ(図4参照)。
「オゾンは、ご存知のとおり、酸素原子が3つ集まってできた強力な酸化力をもつ物質です。これによって、カビ臭の原因となる有機物質を分解除去します。また水中のマンガンの酸化や水の消毒にも役立ちます」
「粒状活性炭は砂粒ほどの大きさで、小さな孔がたくさんあります。その孔に、水中に溶けているカビ臭の原因となる有機物質、トリハロメタンの素になる物質などを吸着させ、活性炭表面に付着している微生物に分解させます。ですから、これは生物活性炭処理とも呼ばれます」
この両処理プロセスを組み合わせることにより、カビ臭除去、トリハロメタン濃度低減の大きな効果を実現することができる(図5、6参照)。カビ臭に関しては100%除去、つまり完全に除去することができる。トリハロメタンに関しても、現行の処理法で残存するトリハロメタンの約60〜70%を除去することができる。
電子顕微鏡で見た粒状活性炭
転載:「私たちの水道」(発行:大阪市水道局) |
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粒状活性炭吸着池(当写真施設の中)で、カビ臭やトリハロメタンの原因となる有機物質などの吸着と、微生物による分解除去を行う
(図4)従来の浄水処理フローと高度浄水処理フロー(柴島浄水場の例)



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(図5)オゾン処理及び粒状活性炭処理による2‐MIBの除去効果
(※2‐MIB=2‐メチルイソボルネオール:カビ臭のもとになる代表的な物質。フォルミディウムやオシラトリアなどの植物性プランクトンによってつくられる)
――前塩素処理を100%とした場合



資料提供:大阪市水道局
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(図6)オゾン処理及び粒状活性炭処理によるトリハロメタン生成能の低減効果
――前塩素処理を100%とした場合



資料提供:大阪市水道局
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オゾン発生器――外観とその内部
後オゾン接触池で有機物質などの分解と消毒を行う――柴島浄水場でのオゾン処理は、急速砂ろ過をはさんで2回行うが、後オゾン処理は中オゾン処理よりもオゾン注入率を高めている |